一般内科
慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、COPD)とは?【妙蓮寺駅の内科・呼吸器内科|妙蓮寺つゆき内科呼吸器クリニック】
こんにちは。
「妙蓮寺駅」より徒歩約6分の内科・呼吸器内科【妙蓮寺つゆき内科呼吸器クリニック】です。
今回は「慢性閉塞性肺疾患」(肺気腫、COPD)について詳しく解説させていただきます。
慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、COPD)の概要
従来は慢性気管支炎や肺気腫などと呼ばれてきたもので、主としてタバコに含まれる有害物質を含む空気を長期間吸い続けた結果、気管支に慢性的な炎症が起きせきやたんがでます。
また気管支が細くなることで空気の流れが低下したり、気管支の先の方にある肺胞が壊されたりすることで酸素の取り込みや二酸化炭素の排出が低下し動いたときの息切れが生じるようになります。
慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、COPD)の頻度
日本では40歳以上で人口の約8。6%(約530万人)がCOPDにかかっていると言われており、男性では死亡原因の8位を占めています。
うち診断され治療されている方は数十万人と言われており、病気であることを自覚しにくいため、未診断、未治療の状態であると考えられることが問題になっています。
少し前には落語家の桂歌丸さんがCOPDを患っていることを公表しており、鼻から酸素を吸って身体への酸素の取り込みを助ける治療(在宅酸素療法)を行いながら高座に上がっていたのを覚えていらっしゃる方もいるかも知れません。
慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、COPD)の原因・分類
最大の原因は喫煙です。
COPD患者の90%が喫煙に関連した発症で、喫煙者のうち15~20%の方がCOPDを発症します。
慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、COPD)の症状
初期は症状が無いこともありますが、数ヶ月~年単位で続くせきやたんが特徴です。
「風邪が治りにくい」「風邪の症状が強い」といった風邪症状で来院され診断となる方も多いです。
気管支や肺胞が傷害されると息を吐くことが難しくなり、吐ききれなくなった空気が肺内に残ってしまうため、進行すると動いたときの息切れが徐々に出てきます。
さらに進行すると息を吸うことも難しくなり安静にしていても息切れが生じるようになります。
慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、COPD)の診断
長期の喫煙歴があり慢性にせき、たん、労作時の呼吸困難があればCOPDを疑います。
確定診断には呼吸機能検査(スパイロメトリー)が必要です。
努力性肺活量といって最大努力で息を吐き出した時に吐ける全体量と、その時の最初の1秒間で吐ける量(1秒量)の比(1秒率)が気管支拡張薬を吸入した状態で70%未満で、かつその他の疾患を除外できればCOPDと診断されます。
当院の呼吸機能検査装置(スパイロメトリ)についてはこちら >
また近年、COPDの方のうち25%程度が喘息を合併していることがわかってきました(Asthma and COPD Overlap:ACO)。
COPDと喘息双方の特徴を示すことが診断基準となっています。
慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、COPD)の治療
COPDは慢性疾患のため、残念ながら治癒させることはできません。
このため
①症状およびQOLの改善、運動耐容能の向上および維持
②増悪の予防、進行の抑制および健康寿命の延長
を目標に治療を行っていきます。
おくすり(吸入薬や内服薬)による治療とおくすりを用いない治療を並行して行います。
おくすりによる治療のメインは吸入薬です。
気管を広げたり気管表面の炎症を収めたりする効果があります。
症状の重さに応じて薬剤が1種類のみ含まれている吸入薬と、2-3種類の薬剤が混ざっている吸入薬があります。
安定した効果を得るために、症状のごく初期の方を除いて毎日継続していただくことが必要です。
おくすりを用いない治療については禁煙が第一で、禁煙により呼吸機能の低下を遅らせることができます。
その他、呼吸リハビリ、病気に対する知識を患者さんに深めてもらうこと、栄養療法などがあります。
慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、COPD)の管理
COPDの患者さんは風邪やインフルエンザなどの気道感染をきっかけとして悪化することがあり(増悪:ぞうあくと読みます)ます。
増悪を起こすと呼吸機能や全身状態の悪化を招くためこれを予防することが重要です。
具体的には手洗いうがいなどの日頃からの感染予防の他、インフルエンザや肺炎球菌ワクチン接種の接種が有効です。
COPDは全身の炎症、骨格筋の機能障害(フレイル)、栄養障害、骨粗鬆症などの併存症をともなう全身性の疾患ですので総合的な管理が必要です。
進行したCOPDの場合は機器からチューブで酸素をおくり、鼻から吸っていただく治療(在宅酸素療法)を併用することもあります。
まとめ
東急東横線妙蓮寺駅から徒歩6分の【妙蓮寺つゆき内科呼吸器クリニック】には、総合内科専門医・呼吸器専門医が在籍しており呼吸機能検査、胸部X線検査、呼気中一酸化窒素濃度測定検査(呼気NO検査)、アレルギー血液検査が可能です。
せきやたん、息切れなどの症状がある方、喫煙歴がありご心配な方はご相談ください。
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